鶯宿温泉


鶯宿温泉 「うぐいす旅館」 (宿泊)
源泉名 :鶯宿温泉(杉の根の湯)
泉質 :アルカリ性単純温泉
泉温 :57.9度C pH 8.7 成分総計 644.6mg/kg   (HS:0.3)788L/分
:無色透明 臭い :微甘薬品臭 :微土味      
 
以前からあこがれていた鶯宿温泉の湯治旅館の「うぐいす旅館」に宿泊することができました。ここはなんと言っても足元自噴のお風呂を持っているんです。立派で大きな旅館の多い鶯宿温泉にあって、ひっそりと湯治専門でやってる温泉旅館があるとは何とも嬉しいことです。しかし自家源泉を持ちしかもそれが足元自噴というのですから、これはたまりません。

館内は歴史を感じさせる造りで上下に細長い造りとなっていて階段が多いです。私の宿泊した部屋は二間続きの部屋でコタツ部屋と布団部屋という超贅沢ぶりです。しかもここはエッジが通じますのでPCで思い切り煽れます。(笑)これまで足元自噴宿に数多く泊まりましたがエッジが通じたのはここが初めてです。これはこれで凄いことだと思います。

さて肝心のお風呂は階段を下りた一番下にあります。大体宿の隣を流れる川と同じくらいの位置だと思われます。この浴室に向かって薄暗い階段を降りていくというアプローチからして期待が大いに膨らんでしまいます。私が宿泊したときは平日にも関わらず宿泊している人が結構いらっしゃって、しかもおばさんが多かったのでなかなかお風呂に入れませんでした。ここは基本的に混浴でお風呂は一つしかありません。宿泊して入るお風呂はじっくりと味わいながら、できればトドになって入りたいのでいくらおばさん達とは言え一緒に入るのは嫌なんです。元々私は混浴は嫌いです。
ようやく夜の9時過ぎた頃になると誰もお風呂に入る人はいなくなり、いよいよ私の貸切タイムの始まりです。裸電球がぽつんと1個だけついた浴室は何とも幻想的というか鄙びきったフンイキで素晴らしいです。浴槽は意外と大きく10人くらいが入れる石造りの長方形のものです。浴槽の底には大きな丸石がゴロゴロ転がっており、少しだけぬるっとしていますのですべってこけそうになります。
浴槽もかなり深めでじっくりと腰を据えて浸かることができます。浴槽の底の2ヶ所くらいから勢いよく湯玉が駆け上ってきます。これはかなり大きくしかも凄く元気の良い湯玉小僧です。ほぼ同じところからひっきりなしにぽこぽこと駆け上ってきます。その湯玉の通り道に腰を置いて中腰になります。あちち!結構この湯玉は熱くて直接皮膚で受けてしまうとあんまり気持ちは良くないです。ここの湯玉は他と違って火の玉小僧です。ちょっと熱すぎですかね。(笑)

ここの浴槽は全てが足元自噴のお湯ではなく、足元自噴泉の湧出量が減ったので新源泉を足して浴槽を満たしているらしいです。(比率はちょっと不明)

このお湯の湧き出し口付近はかなり熱めです。残念ながら私の大好きな身体を駆け上っていく湯玉で遊ぶということはできませんでしたが、次から次へと生まれ出てくる湯玉たちを眺めているだけでもうっとりしてしまいます。お湯は無色透明のもので少しのとろみ感と僅かながらも独特の甘味を帯びた薬品臭がします。浴槽内のお湯が気持ち熱めですので、ずっと浸かり続けるわけにはいきませんがとにかく浸かっている間の心地のよいことこの上ありません。
足元自噴の温泉に浸かったときはいつでもそうですが身体がお湯の中で深呼吸をしているような感覚になります。これだけピュアで新鮮極まりないお湯を楽しめるとはホントにシアワセなことだと思います。やはり温泉の命は新鮮で湧きたてであることが一番だと改めて思い知らされました。浴後はよく暖まります。どこの足元自噴のお湯でもそうですが、浴後は手の平がつるつるになります。いつもお風呂から上がって直ぐにメモを書くのですが、手が滑ってなかなかペンが握れないと言ったら言い過ぎかな。
多分顔もつるつるしてぴかぴか光っていたと思います。女性のお肌にはどんなに高価な化粧水よりも足元自噴のお湯に浸かる方が効果があると常々思っています。(誰か試してみて)いつの日か足元自噴湯を自分で所有して「熊谷温泉・足元自噴生化粧水」として売り出して大儲けすることを夢見ていたりします。(大笑)

とにかくこの素晴らしい足元自噴湯に素泊まり2000円で宿泊できましたので、正に夢のような体験でした。おそらく世界一安い足元自噴宿ではないでしょうか。この素晴らしいお湯も是非ともこれをご覧になっている皆さんに体験していただきたいと思います。(2005/10/27/The Deepest Midnight)


その後再訪してまた入浴しましたが、残念ながら現在のお風呂は(上記のレポート時も)天然の足元湧出のお湯はかなり少なく、新源泉が大多数である可能性が高いということがわかりました。数年前に鶯宿温泉にできた大型施設の影響で自然湧出はかなり減少してしまい、それを補うために新源泉をパイプで引いてきて浴槽の底から出しているというのが事実らしいです。源泉の状態によってはほとんど自噴していない場合もあるようです。もちろん、ぽこぽこと自噴している場合もあるようです。これに当たるかは運次第かもしれません。上のレポートでは(新源泉+足元自噴)という前提で書いていますので、ちょっと大げさに書いてしまいました。ちょっとショックですが、それでもお湯が気持ちいいのには違いがないと思いますので、敢えて文章は訂正しませんのでご了解願います。(2006/05/03)

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