渋温泉


渋温泉 「金具屋」 (宿泊)    
さても金具屋です。ついにというべきか宿泊してしてしまいました。威風堂々たる木造の外観や独自源泉を4つも持っている上、家族風呂がたくさんあると聞き、一度は宿泊してみたいものだと思っていました。今回温泉仲間と乾坤一滴の大勝負で金具屋湯破をすることにしました。

(注)今回、浴槽の写真撮影に失敗したものが多く、金具屋殿のHPから一部浴槽の写真をお借りしました。


(鎌倉風呂)

源泉名 :鎌倉風呂
泉質 :単純泉
     
泉温 :度C     成分総計 907.5mg/kg   (540リットル/分)
:薄白濁透明 臭い :薄金気臭 :金気味      
 
金具屋で自慢のお風呂の一つです。午前零時を境に男湯から女湯に変わります。さて、浴室は入った途端おっと唸ってしまいます。ひょうたん型の木製の浴槽が浴室の真ん中にあり、そこへ源泉が溢れています。ひょうたん型で木製の浴槽は珍しいと思います。何といっても木の肌触りが良く湯の良さを引き出しています。
お湯は金気臭のあるやや濁り気味のもので少しのとろみ感と肌触りの良さが感じられます。白い湯花も舞っています。湯温がぬるめなこともあり、浴槽の縁に頭を乗っけて暫しまどろんでしまいました。源泉が注ぐ音以外は何も聞こえない静寂の中でからだの力を抜きお湯に身を委ねる。これこそ宿泊すればこその湯の楽しみかたです。泉質自体はそれほどではないですが全体の調和した雰囲気が良いです。

(浪漫風呂)

源泉名 :浪漫風呂
泉質 :ナトリウム・カルシウム硫酸塩・塩化物泉(含石膏食塩泉)
     
泉温 :62度C pH 7.0 成分総計 1,326.2mg/kg    
:薄緑白濁 臭い :薄金気臭 :薄金気味+酸味      
 
ここも金具屋自慢のお風呂の一つです。夜の零時を境に女湯から男湯に変わります。浴室への入り口は2ヶ所あり脱衣所も2ヶ所に分かれているところからすると、かつては混浴だったのかもしれません。浴室は西洋風の建築様式を取り入れたもので、なかなか風格のあるものです。浴槽は一つで小判型の12〜3人が入れる広さのものです。浴槽の中央にお湯の吹き出し口があり、噴水のようにお湯が溢れています。

ここの源泉はお風呂の横地下3メートルから自噴しており、戦前は「泥の湯」と呼ばれていたそうです。お湯はぬるめなので入浴感はあまりありませんが、少しとろみを帯びたお湯と大正ロマン漂う浴室・浴槽の雰囲気の中でとっぷり湯に浸かっていると何とも言えない心地よさが残ります。


(龍瑞露天風呂)

源泉名 :龍瑞露天風呂
泉質 :含硫黄-ナトリウム・カルシウム・硫酸塩泉(含石膏食塩泉)
  :(弱アルカリ性低張性高温泉)    
泉温 :97.度C pH 8.4 成分総計 1,633mg/kg   (63リットル/分)
:無色透明 臭い :硫黄臭 :薄塩味      
 
階上にある展望風呂というのがちょっと気に入りませんが、浅間石をふんだんに使った露天風呂です。12〜3人が入れる広さで寝湯ができるように浅くなった所が何ヶ所かあります。源泉が浴槽の真ん中から噴水のように出ています。
ここのお湯は硫黄臭が結構あり嬉しくなります。無色透明ながら、肌触りも柔らかく硫黄臭がある分だけ心地よく浸かることができます。この源泉は家族風呂にも引かれていますが、この露天のお湯が一番状態が良いようです。川向の駐車場から橋を渡って引湯しています。駐車場の源泉湧出場所ではかなりの硫黄臭がします。

(和予の湯) <家族風呂その1>

源泉名 :龍瑞露天風呂
:無色透明 臭い :微硫黄臭 :ほぼ無味      
家族風呂の一つで、一番広いものです。かつて使われていた水車の軸板と歯車を浴槽に転用したものだそうです。一見して船のような形をしており、4人ぐらいが入れます。浴槽の半分が浅くなっており寝湯ができるようになっています。真ん中に枕木が渡してあり、ほんと寝たくなってしまいます。お湯は無色透明のさらりとしたもので、微かに硫黄臭が感知できます。ここもぬるめに設定されていたため、のんびり浸かることができました。

(子安の湯) <家族風呂その2>

源泉名 :龍瑞露天風呂
:無色透明 臭い :微硫黄臭 :ほぼ無味      
家族風呂の一つです。浴槽の外側と縁は木曽の桧でできており内側は浅間石でできているようです。2人ぐらいが入れる浴槽に無色透明で、かすかに硫黄臭のするお湯が溢れています。さらりとした感触のお湯であっさりしています。ここのお湯は熱めになっていましたのでピリリとした感触もあります。浴槽が狭い分好みの湯温でお湯を楽しめるのが良いです。また源泉が出てくる打たせ湯もあります。

(岩窟の湯) <家族風呂その3>

源泉名 :龍瑞露天風呂+別源泉
:無色透明 臭い :微微硫黄臭 :薄塩味      
家族風呂の一つです。2〜3人が入れる林檎型の浴槽が一つあり、洞窟を模した岩の割れ目からお湯が注いでいます。狭いながらも雰囲気はあります。お湯はわずかに硫黄臭のする無色透明のお湯ですが、肌触りはかなり良いです。お湯の成分が皮膚に纏わりつくような感じもします。ぬめり感とも異なった不思議な感覚です。浴槽が狭い分そ感じるだけかもしれませんが、なかなかに感触の良い湯です。ここのお湯は露天と同じ源泉と別源泉をブレンドしているようです。

(恵和の湯) <家族風呂その4>

源泉名 :龍瑞露天風呂
:無色透明 臭い :微硫黄臭 :微塩味      
家族風呂の一つです。ここも浅間石で作られており3人ぐらいが入れる広さです。源泉が掛け流しになっています。ここはかなり熱いです。飛び上がるほど熱くなっていました。源泉は露天と同じ系統で他の家族風呂と同様ですが、熱すぎてあまり浸かっていられずお湯の感じは良く分かりません。肌触りがなめらかで少しだけつるつる感の残るものです。

(美妙の湯) <家族風呂その5>

源泉名 :龍瑞露天風呂
:無色透明 臭い :微硫黄臭 :微塩味      
家族風呂の一つです。木曽のさわらでできた浴槽があります。真ん丸い浴槽で2人ぐらいが入れそうですが、私は一人で入りたい広さです。木の香りもすがすがしいです。浴室も狭くほんとに家族風呂ですが、家族全員では入れません。お湯は他の家族風呂に引かれているお湯と一緒で無色透明のさらりとした肌触りの良いものです。さわらの浴槽に熱めの源泉をぎんぎんに出して浸かるとすこぶる心地よいです。もう少し硫黄臭があれば更に良いのですが。

私の宿泊記録としては最高額の宿泊代でしたが、総合的にはイマイチといったころでしょうか。温泉旅館としてのレベルとしてはまあまあだとは思います。しかしお風呂の数はたくさんあるものの、飛びぬけて良い印象が残るお風呂がないという点や、旅館の姿勢として温泉そのものをあまり大事にしていないような印象を受けました。

また食事にも、もう一工夫も二工夫して欲しいなあというのが正直な感想です。このクラスの旅館で出すにはあまりにも旧態以前とした旅館料理だと思います。どうみても団体客相手の旅館の料理です。贅沢なものを求めているのではなく、個人客にはもっと心のこもった料理を出して欲しいです。(2000/11/11)


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