手白沢温泉
手白沢温泉 | 「手白沢温泉」 | (宿泊) |
源泉名 | :兵次郎の湯 |
泉質 | :単純硫黄泉 |
泉温 | :52.2度C | pH | 6.92 | 成分総計 | 624mg/kg | (HS:2.6,H2S:3.7) |
色 | :薄白濁/無色透明 | 臭い | :硫黄臭 | 味 | :硫黄味 |
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念願の手白沢温泉にようやく宿泊することができました。その存在を知って以来何度か来ようと企画したのですが、満室のことが多くなかなか宿泊する機会がありませんでした。今回は春休みの平日だったので簡単に予約を取ることができました。
問題は3時間も雪道を歩けるか?です。手白沢温泉はたどり着くのにもかなりハードルの高い温泉です。女夫渕温泉に車を止めてそこから歩いてしか行くことができません。林道経由で約3時間の行程です。急な上り坂はないものの普段運動をしていない身には結構辛い距離です。 |
今回は家族連れで訪れましたが、中学生になった長男が一番いきが良く先頭を常にかってくれました。しかしまあいつの間にか大きくなったものです。その分こっちが歳を取ってしまい、昔なら平気だった山道も息が上がってしまいました。(苦笑)
女夫渕温泉から2時間半くらいで目指す手白沢温泉が見えてきました。凄く立派な外観でこんな山の中にあるのが不思議な感じです。山小屋風の素朴な建物を予想していましたが、まったく予想とは違っていました。 |
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玄関に着くと黒い犬がお出迎えです。まったく吠えないところがさすが旅館の犬ですね。館内はまだ新しい感じのするもので、そこかしこに木材が贅沢に使用されておりとても見事な造りです。しかしここのデザインは誰が行ったのか知りませんが、とても素晴らしいと思います。 | ![]() |
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廊下は天井が凄く高いので、採光もよくとてもゆったりした空間が生まれていてフンイキはかなり良いです。部屋もかなり広くしかも床が多分温泉熱の床暖房になっていますので、暖かくなっています。畳に横になっているとホカホカして眠たくなってきます。 | ![]() |
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湯小屋は本館と繋がった別棟になっています。脱衣所も広く清潔で気持ちがいいです。ここの宿は6部屋しかないのに、この湯小屋の造りはとても贅沢な気がします。 | ![]() |
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お風呂は内湯×1と露天×1があります。内湯は12〜3人が入れる大きなもので、源泉が豪快に浴槽に注がれ掛け流しになっています。浴槽は残念ながら木製ではないですが、新鮮さ溢れる温泉がとめどなく流されていますので、とにかく浸かっていて心地のよいことこの上ありません。 | ![]() |
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お湯は薄く白濁しておりさらりとした感触ながらぬめり感も少しありお湯の成分で体中がやさしくなでられているような感じさえするくらい気持ちがいいです。灰色の湯花も大量に舞っています。まるでお湯の中で華麗な舞踏会を行っているような感じです。 | ![]() |
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露天は10人くらいが入れるもので上からと浴槽内からの2ヶ所からお湯が投入されています。それでも雪に囲まれた露天は内湯よりもお湯はぬるめになっています。浴槽の底が青い綺麗なタイル張りなっているため、お湯は青く見えますが露天はほぼ無色透明のお湯になっています。 | ![]() |
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内湯よりあっさりした感じのお湯ですが、とりまく環境が素晴らしいのでとてもよい気分でお湯に浸かることができます。3月下旬ですがまだまだ雪が多く残っており、のんびりと雪見風呂を堪能することができます。しかし、気持ちいいなあ。天気がよければ夜は満天の星を眺めながら入ることができるそうです。 | ![]() |
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こちらは女湯の内湯と露天です。ほぼ男湯と同じつくりですが、露天男湯よりがやや狭いかもしれません。 | ![]() |
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内湯の浴室のカランがまた素晴らしいです。通常の水道の蛇口からではなく木の樋から源泉が常時勢い良く注がれ、丸太をくり貫いた桶に溜められていきます。お湯の量が半端ではなく多いので見ているだけで惚れ惚れするものでホント気持ちがいいです。 | ![]() |
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ざこざこ注がれざばざば捨てられていきます。24時間ずーっとこの状態なのですから感動ものです。この源泉を頭からかぶってシャンプーをするとほんのりと硫黄臭も香り何とも気持ちがいいです。 | ![]() |
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食事は食事どころでいただきますが、これも一般の温泉旅館とは一線を画したものでスバラシイです。薪ストーブで暖められた食事どころは、ここも天井が高く気分がいいです。料理は和洋折衷のものですが、山菜や岩魚など地元の素材の良さを十分に引き出した味わい深いものです。 | ![]() |
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岩魚のムニエル味噌ソースは絶品と言っていいと思います。質量ともに満足のいくもので、こんな山の中で(失礼!)このような洗練された料理に出会えるとはちょっと信じがたい経験です。 | ![]() |
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今回の宿泊は平日(月曜日)ということもあり熊谷家の貸切でした。これだけの見事な施設を我が家だけで貸切できるとはとてもシアワセでラッキーなことだと思います。特にこのスバラシイお風呂を好きなだけ独占できますので、贅沢としか言いようがありません。思わず笑いたくなるくらいでした。 | ![]() |
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2時間半も歩いてきた価値は十分にあります。温泉宿としての居心地のよさ、そしてお湯の良さのバランスがとてもよく第一級の温泉施設だと思います。私は手放しでここを大推薦したいと思います。宿泊しながらまたここに来たいと思わせる数少ない宿の一つです。 | ![]() |
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この宿にはテレビがありません。6時に夕食が始まり7時過ぎからはお風呂へ入るかゆっくり本でも読むかしかやることがありません。我が家では各自が最低一冊ずつ本を持ち込みましたので、静かな静かな中での読書タイムとなりました。ここにいると時間の感覚がなくなってしまいます。
部屋は床暖房でぽかぽかして乾燥気味で、ついうとうとしたくなってしまいます。静寂が辺りを包み込み時々人の発する咳とかくしゃみ、あるいは本をめくる音しか聞こえません。今までどこかに置き忘れてきた貴重な時間の感覚をちょっぴり取り戻したような感じがしました。(2006/03/27/Silent & Wonderful Night) |
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